食品に大切なのは、おいしさと安全性と考えています。無添加であることは言うまでもなく、遺伝子組み替え大豆などは一切使用しておりません
かめびしは、宝暦三年(1753)の創業以来、頑ななまでに「むしろ麹法」を守り続けてきた日本で唯一の蔵元です。
昔から醤油づくりにおいて言われてきた言葉で、
「一麹(こうじ)、二櫂(かい)、三火入れ」というものがあります。
醤油づくりにおいて、麹がもっとも重要とされるという意味です。
むしろ麹法の『むしろ』とは、
藁(わら)やイグサなどの草で編んだ敷物の事です。
むしろに麹を寝かせることで、水分が調節され、
麹はいつも適度な湿度で保たれます。
むしろで仕込んだ麹は機械で造った麹とは全く異なり、
生き生きとしています。
生き物として愛情をかけて育ててこそ、本来の持ち味が生まれます。
数字には表せないものの、機械には出せない味が確かにあります。
大豆 … 一晩(約17時間)水につけてから蒸し、適温まで冷ます。
小麦 … 200℃前後の高温で炒り荒く研ぎ貯蔵する。
種麹 … こうじ菌を小麦に加える。
大豆に小麦とこうじ菌がまんべんなく付く
よう混ぜる。
むしろの上に広げ均一にならす。
特殊な構造を持つ木造2階建ての室内で、簀、むしろ、麹の順に10〜14段に重ねて、4日間かけて麹を育てます。
むしろ180枚全部を使用しても機械法の約半分しかできません。
・麹(こうじ)…蒸らした大豆+炒って砕いた小麦+こうじ菌
・筵(むしろ)…わらで編んだ1畳ほどの敷物
・簀(す)…竹をわらで編みつないだもの
すべての麹をむしろから落として混ぜ返し、再度むしろに寝かせる。
窓の開閉で温度調節をします。
麹を部屋から出し、塩水を加えてもろみ蔵の桶へ。盛り込みから出麹の期間は、職人が泊りがけで温度管理をします。
築後数百年以上経つ醸造蔵の杉桶に仕込み、こいくち醤油では、丸2年、丸3年、20年以上もの歳月をかけています。古い蔵には約230種類もの独自の酵母菌が棲みついており、微生物の力で大豆の旨みがゆっくり引き出されてゆきます。
うすくち醤油は1年半以上、こいくち醤油は2年以上
他にも3年、5年、10年…
ゆっくり熟成させます。
もろみを大きな風呂敷に包み、積み上げ、ゆっくり圧をかけて醤油を搾ります。
低めの温度で火を入れます。微生物の活動をとめることで発酵し製品が変質するのを防ぐとともに、醤油の香りを増し、味を整え、色をよくする作用があります。
※生醤油など火入れをしていない製品もあります。
桶ごとに品質が違うので、安定させるために混合し、ろ過します。
瞬間殺菌した後瓶詰め。
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